材料計測 (動的粘弾性測定装置(TA Instruments社製 RSA-G2))
計測の概要
本計測装置は、測定中の温度安定性に優れ、広い温度領域かつ高周波までの計測が可能です。あわせて、実験データをAbaqus、Marc、Ansys LS-DYNAなどの汎用FEMの入力データに変換するサービスを行っております。
RSA-G2は、粘弾性材料の力学的特性を動的粘弾性試験により計測します。動的粘弾性試験により、粘弾性材料の弾性的な振る舞いを表す貯蔵弾性率、粘性的な振る舞いを表す損失弾性率、そしてそれらの比であり、エネルギ損失の割合を示す損失正接の温度依存性、周波数依存性を測定します。
弊社に導入されたRSA-G2は、粘弾性計測の分野で高い評価を確立していた旧レオメトリック社の流れを継承する機器で、特に温度制御の安定性において優れた性能を有しています。また、測定温度領域が-150~600℃と広く、周波数域も準静的~80Hz程度と十分な領域をカバーできるのが特徴です。負荷の形態としては、(1)引張り、(2)圧縮、(3)せん断、(4)三点曲げの4種の試験が可能であり、試験片の形状や性質に合わせた様々な物性計測が可能です。
最小荷重 | 0.0005 N |
最大荷重 | 35 N |
荷重分解能 | 0.00001 N |
動的変位範囲 | ±0.00005~±1.5mm |
変位分解能 | 1nm |
弾性率範囲 | 103~3×1012 |
弾性率精度 | 1% |
tanδ感 度 | 0.0001 |
tanδ分解能 | 0.00001 |
周波数範囲 | 2×10-6~100 Hz |
温度制御 | -150~600 ℃ |
温度範囲 | フォースコンベクションオーブン |
加熱速度 | 0.1~60 ℃/min |
冷却速度 | 0.1~60 ℃/min |
等温安定性 | ±0.1 ℃ |
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(1)引張り | (2)圧縮 | (3)せん断 | (4)三点曲げ |
実行可能な負荷モード |
カーブフィットの実施
- 与えられた材料に対して弊社で粘弾性計測を実施し、カーブフィットまで行います。
温度依存性のデータの計測と同定を含みます。
- 試験片として30×8×1mm程度の材料がお客様から提供されるものとします。
引張りによる計測が主ですが、圧縮、せん断、3点曲げも行います。
- 通常、複数の周波数で計測された貯蔵弾性率、損失弾性率-温度関係からマスターカーブを作成しますが、単一の周波数のみの貯蔵弾性率、損失弾性率-温度関係からでも、JIS規格(JIS ハンドブック2005年ゴムⅠ pp853-854)準拠のマスターカーブ作成が可能です。
- 汎用FEMパッケージに付属するカーブフィットプログラムでは、実験結果にばらづきがあったりすると収束した粘弾性定数を求めることが困難である場合が少なからずありますが、弊社作成のプログラムで対策することが可能です。
お気軽にお問合せ下さい。
- 動的試験の他に応力緩和試験、クリープ試験によって計測した緩和弾性率、クリープコンプライアンスのマスターカーブからでもカーブフィットが可能です。
- Abaqus、Marc、Ansys LS-DYNA用の単軸応答の入力データを提供します。