輸送機器

人体の衣服圧解析

  • 衣服の快適性を決める要因の1つである衣服圧は、運動機能向上や体型補正・医療的な効能など、多くの有益な作用に直結しています。
  • 衣服の生地は縦糸(warp)と横糸(weft)を織ることによって生成されますが、ここで示す解析では、シェル要素と縦糸と横糸に相当するリバー層を組み合わせることによって、モデル化を行っています。
  • この生地モデルを用いることによって、人体モデルに対して衣服を着衣させ、ジョギングを行う過程で発生する衣服圧を確認することが可能となります。

【参考文献】
[1]三原ほか, 運動する人体を対象とした衣服圧シミュレーション,計算工学講 演会論文集, Vol.21, C-4-7, (2016).

生地のモデル化
生地のモデル化
生地の単軸引張解析
生地の単軸引張解析
運動する人体の衣服圧解析
運動する人体の衣服圧解析
輸送機器

均質化法の適用

  • 複合材料などの微視構造を考慮した解析手法の一つとして、「マルチスケール解析」があります。これは,ミクロスケールの挙動とマクロスケールの挙動を連成して解析を行う方法です。
  • 一般に、ミクロスケールの挙動をマクロスケールに持ち込む解析を「均質化解析」といいます。逆に、マクロスケールの応答をミクロスケールに落とし込む解析を「局所化解析」といいます。
  • 均質化解析には、主に2つの手法があります。
    【平均場均質化法】
    • 複数のミクロ構造の応答を推定し、その体積平均からマクロな材料特性を導出します。
    【代表体積要素による数値解析的均質化法】
    • マクロ構造からREVを抽出し、数値試験によりマクロ応答を評価して材料パラメータを導出します。
マクロスケールモデルとミクロスケールモデル
マクロスケールモデルとミクロスケールモデル
均質化解析と局所化解析
均質化解析と局所化解析
均質化解析手法
均質化解析手法
輸送機器

Oリングのシール解析

  • JIS B 2401に基づく外圧用Oリングの例では、フランジ締付け(Step1)だけでは接触面圧は不十分(2.7MPa)ですが、外圧10MPa (Step2)を加えることでOリングに応力が加わり、接触面圧が12.5MPaに達します。
  • これが外圧を上回り、接触長さも十分であるため、シール性能が確保されます。
Oリングのシール解析

【規格】
[1] JIS B 2401-2 : 2012,Oリング-第2部:ハウジングの形状・寸法
[2] 旧JIS B 2406,Oリング取付溝部の形状・寸法

Oリングと外圧用Oリング
外圧用Oリング
接触面圧の解析結果
接触面圧の解析結果
輸送機器

伝達関数の計測と解析

  • 鋼板に積水化学工業の3層構造の制振材(TMREAL SCHILD)を貼り付け、インパルスハンマー試験およびAbaqusによる解析を実施しました。
  • 制振樹脂は可聴域において損失特性が高く、共振点近傍では伝達関数が大きく低下することが確認されました。
  • さらに、動的粘弾性計測を行うことで、実験結果を高精度に再現できることが示されました。

積水化学工業製(TMREAL SCHILD)
積水化学工業製(TMREAL SCHILD)
制振樹脂および粘着層のマスターカーブ
制振樹脂および粘着層のマスターカーブ
ハンマリングによる加振実験
ハンマリングによる加振実験
伝達関数(鋼板のみ)
伝達関数(鋼板のみ)
伝達関数(鋼板+制振材)
伝達関数(鋼板+制振材)
輸送機器
金属・非金属素材

ゴムブッシュの実機サンプリング
試験解析

  • ゴムブッシュは振動・振幅に強く依存するため、両特性を反映した材料モデルが必要です。
  • 実機から切り出した試験片による計測が望ましく、超弾性のひずみエネルギー関数と粘弾性のProny級数を組み合わせることで、周波数依存(0.2Hz、5Hz)の挙動を再現可能です。
ゴムブッシュと短冊型試験片
ゴムブッシュと短冊型試験片
載荷の様子と解析モデル
載荷の様子と解析モデル
軸方向荷重における荷重と変位関係
軸方向荷重における荷重と変位関係
電機・電子

積層板の熱反り解析

  • IC基盤などに使用される積層板は、小型化、高密度化に伴い熱処理後に残留する板反りの評価が重要になります。
  • ここでは、樹脂層-ガラス繊維層-樹脂層からなる3層積層板を対象に、熱処理後の冷却過程における熱変形挙動の解析を行いました。樹脂層には粘弾性特性を導入し、樹脂層の熱膨張係数はガラス繊維層より大きい条件を設定しています。
  • 樹脂層はガラス繊維層よりも熱膨張係数が大きいため、冷却過程においてより大きな熱収縮を生じます。その結果、積層板内部に曲げモーメントが発生し、上に凸となる反り変形が発生します。
  • また、冷却速度を変えた場合、急冷条件では、冷却中の粘弾性緩和が十分に進行しないため、他の冷却速度と比較して、たわみ量および残留応力が大きくなる傾向を示します。
  • 弊社では、Microsoft Excelを使用した粘弾性積層板の熱による反り量を評価する簡易解析を行うプログラムを販売しています。詳細は弊社販売ページをご覧ください。

【参考文献】
[1] T.Kobayashi, and M.Sato, Application of ThermoViscoelastic Laminated Plate Theory to Predict Warpage of Printed Circuit Boards, ITherm 2010, Las Vegas, USA, P-5, 2010.

積層板理論
積層板理論
解析モデル
解析モデル
温度曲線
温度曲線
変形図
変形図
冷却速度と面内方向応力
冷却速度と面内方向応力
冷却速度とたわみ量
冷却速度とたわみ量
電機・電子

溶融状態の素材に対する表面張力の解析

  • 電子機器のはんだ接合や、精密ガラス機器などの微細機器分野では、溶融状態にある素材の形状決定に対して、表面力が支配的な荷重となります。
  • ここでは、表面張力作用下における液滴の解析をAbaqus/Standardによる静的解析およびAbaqus/Explicitの動的解析で行いました。
  • 頂点部分の変位履歴を見ると、静的解析では慣性項を考慮しないため、単調に減少し平衡状態に至っています。一方、動的の解析では慣性と表面張力の影響で振動が発生しますが、粘性による減衰の効果で平衡状態に収束します。
  • また、平衡状態における形状をPaddayの理論解[1]と比較すると、どちらの解析も理論解と一致していることが確認できます。
  • 弊社では、Abaqus/Staticの解析のためのひな形データの入力ファイルを含む表面張力の理論解を計算算出するプログラムを販売しています詳細は弊社販売ページをご覧ください。

【参考文献】
[1] Padday, J. F. "The profiles of axially symmetric menisci." Philosophical Transactions of the Royal Society of London. Series A, Mathematical and Physical Sciences,  Vol. 269 (1197), pp. 265-293, 1971.

液滴形状の様子と頂点の履歴曲線
液滴形状の様子と頂点の履歴曲線
平衡状態における液滴の形状
平衡状態における液滴の形状

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