飲料缶の圧縮解析
- 薄肉円筒シェル構造の座屈解析として、飲料缶に軸圧縮を与えるシミュレーションを実施しました。
- 座屈固有値解析を初期不整として与え、人工粘性法を用いて圧縮挙動を解析を行いました。
- 缶は左側の凹みから飛び移り座屈が始まり、反対側へ伝播後、周方向に凹みが連結し、最終的に3波数の形状で潰れる様子が再現されました。
【参考文献】
[1] Teng, J. G., and Rotter, J. M., Buckling of Thin Metal Shells, Spon Press, p.2, UK, 2004.
水の入ったボトルの落下解析
- Abaqus/Explicitで流体‐構造連成解析を行う手法には、 Euler要素を用いるEuler-Lagrange連成解析手法(Coupled Euler-Lagrange analysis, 以下CEL)と、粒子法を用いるSmoothed Particle Hydrodynamics法(以下、SPH)の2つがあります。 ここでは、水が入ったプラスチックボトルの落下解析を例にとり、それぞれの手法の挙動を確認しています。
- CEL解析で使用するEuler要素は流体が移動する空間を表しており、要素自体の変形ではなく、要素内の物理量(ここでは体積分率)の変化を用いて流体の存否を表現します。
- 一方、SPH解析では流体を粒子で表現します。メッシュ分割を行わないので、自由表面を含み大きな変形を伴う流体を比較的簡便に計算することが可能です。
- 解析結果ではどちらも同じような挙動になっていることが確認できます。具体的には、床との衝突後、水が慣性によって下方向に移動します。その後、床からの反力によって水はボトルの側面に沿って時計回りに移動し、最終的に上部からあふれている様子が表れています。
Slinkyの挙動解析
- スリンキーは自身の重さで伸びており、各巻きにかかる力が異なります。上部は張力が大きく、下部はほぼ力がかかっていない状態になるため、非一様な力分布が生じます。
- 手を離すと、上部が落下するのに対し、下端は一瞬静止するという奇妙な挙動を見せます。これは、張力の伝達に時間差があるためで、波動的な力の伝播を考慮する必要があります。
- スリンキーのような連続体をFEMで解析する際は、メッシュの歪みや拘束条件の設定が難しく、接触や回転自由度を含むと剛体変位や計算エラーが起こりやすいという課題があります。
Slinky
ガラスレンズの成型解析
- 粘弾性特性を使用した解析例として、ガラスレンズの成型解析を示します。ここでは、成型温度の違いによる挙動の確認も行います。
- 今回の解析では、粘弾性特性で使用する時間‐温度換算因子𝛼を次式のガラスの粘度[1]から算出して使用します。
- 粘弾性の応力緩和により、時間の経過とともにガラスが圧縮されている様子が現れています。また、左図の1000℃ではガラスレンズが成型されていますが、右図の900℃では成型不良となっていることが確認できます。
【参考文献】
[1]日本機械学会編,「機械工学便覧 B4 材料学・工業材料」,丸善,p.159 (1995).
摩擦撹拌点接合解析
- 摩擦撹拌点接合(Friction Stir Spot Welding: 以下、FSSW)は、摩擦撹拌現象を利用した接合方法です。
- Abaqusでは、Abaqus/CEL (Coupled Eulerian Lagrangian)機能を使用することによって、FSSWのモデル化が可能となります。ここでは、2つの材料を流体としてツールで撹拌するモデルを解析例として示します。
- 解析で塑性発熱もしくは粘性発熱を考慮するためには、弾塑性、粘弾性材料として粘性流体をモデル化する必要があります。この解析では弾塑性の材料特性を使用しています。
- 撹拌状況を見ると、2つの流体は撹拌されるとともに、ツールの周囲に盛り上がりが発生していくことが確認できます。また、温度分布では、塑性発熱によって150℃まで温度が上昇していることが確認できます。
- この後、常温まで降温させることで撹拌によって発生する残留応力を評価することも可能です。
H形鋼のK形筋違付ラーメン構造
- H形鋼の断面はフランジとウェブと呼ばれる部分から構成されており、フランジによって長方形断面のはりよりも曲げ剛性が強化されています。
- 藤本らの論文[1]ではH形鋼の筋違付ラーメン構造に対して、筋違の座屈という不安定減少を伴う繰り返し負荷の弾塑性解析手法を検討し、実験との比較を行っています。
- 本例では、藤本らの論文の実験をトレースするようなFEM解析をビーム要素とシェル要素を用いて行いました。
- ビーム要素・シェル要素の結果は概ね実験結果を再現していますが、ビーム要素はH形鋼がモデル化されないために、最初の負荷時に挙動が硬めになり、ピークが現れるような挙動になっています。
【参考文献】
[1]藤本ほか, 筋違付鉄骨ラーメンの弾塑性解析に関する研究, 日本建築学会論文報告集, Vol. 209, pp.41-51, (2003)。
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